ベッドから出てカーテンを開けると、空にはまだ夜明けの香りが残っていた。
朝を告げる青と薄ピンクのグラデーションの中で輝く月を見て、すぐさま写真を撮りたくなった。

寝起きから3秒の格好のまま、カメラを手に取る。
さっきまでベッドの中でグズグズしていたくせに、それを感じさせない俊敏な動きでセッティングする。
あ、なんか今日すっごい寝ぐせついてるかも~とか思いつつ、手は止めない。
早くしないとグラデーションの空と月が消えてしまう。

上着も羽織らず、素早く窓を開ける。
古びた網戸がキイキイと音を立てしまうが気にしない。
窓を開けた瞬間、冷たい空気が身体に刺さる。
寒ィ…だけど、それ以上に空が美しい。

自分が住んでいるただの住宅街。
それが、早朝の空と月のおかげで写真集で見るような空気を感じた。
目の前のご近所さんちが妙に雰囲気あって良き。
素足のままベランダに身を乗り出し、20枚ほど撮って部屋へ入った。
多分、5分くらいのことだっただろう。
最近は写真をほとんど撮っていなかったので、久しぶりに気持ちが満たされた。
やっぱりいいね、自分が本当に好きなことをする時間は。

さて、下に降りようと思って時間を確認する。
あーもう6時半だ。
今日は6時前には起きるはずだったのになあ。
これから起きて朝食を作って…犬の散歩に出るのはやっぱり8時すぎくらいかなと考える。
休日なのに、寝起きから時間効率ばかり気にしてしまうのが自分の悪い癖だ。
夢中になってシャッターを切る時間は「効率」なんて全く考えないのに。
まあいいや、さっき撮った写真はあとでゆっくり編集しよう。
今日はブログデザインもいじりたいなあ。
そんなことを考えながら階段を下りた。
洗面所の鏡を見る。
髪の毛の3分の2くらいが逆方向に向いていた…。